中国の書の歴史・・・その19
前回の故宮博物院の話から、宋代の書のことについてふれてしまいましたが、時代を戻して唐代の書について説明をします。
約300年続いた唐代は外国との交流も盛んで特に西域の影響を深く受け書に限らず一台芸術の勃興した時代と言えるでしょう。
むろん、唐代は書の発展でも目覚ましいものがありました。
背景のひとつに書道の学校を設け書学博士を置き書道を教えたことがあります。そして官吏登用試験の科挙に書道を加えたのです。官吏として公文書を書くためには当然整った正しい楷書体を書くことが要求されました。形の整った端正な楷書碑が建立され今日に残っています。
欧陽詢(557~641)の<九成宮醴泉名>、虞世南(558~638)の<孔子廟堂碑>、褚遂良(596~658)の<雁塔聖教序>などの後世不朽の名作と言われる楷書碑が誕生しました。
これは隋の南北書派の融和が大きな原動力になっていると思います。盛唐期には顔真卿(709~758)が出て、力強い楷書も生まれました。
その他、行書、草書の分野でも名品が生まれています。飛白書、則天文字、狂草なども目につきます。
次回からはしばらく唐代の書を追いかけてみたいと思います。
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