さて、今年は巳年です。十二支の六番目、方位は南南東、時刻は現在の午前十時ごろ、または午前九時ごろから午前十一時ごろまでの間。月では6月、動物では蛇が充てられています。
巳の字は、蛇の形から生まれたもので、頭と体ができかけた胎児を描いた象形文字です。
私事ですが今年は私にとって六回目の干支(年男)に当たります。「蛇」というと気味悪い代名詞みたいでどうもあまり好かれていないようです。それを思ってか巳年の運勢などをみると晩年は反映するとか、恵まれるなどと書かれています。
また、古来から水界の神性生物とみられて、水の神として信仰され、ただならぬ呪力をもっていると思われてきました。家の守護神として財産を守ってくれるという信仰もあります。
「蛇の皮を財布に入れておくとお金がたまる」「蔵の蛇を殺すと貧乏になる」という俗説もあって、蛇と金運は切っても切れない縁があるようです。
一方、「蛇の夢を見ると良いことがある」「マムシの夢を見ると金がはいる」ともいわれ、蛇の夢は縁起の良いものとされています。特にマムシの夢は吉兆だそうです。
さらに、神話(メキシコ)にでてくる羽根の生えた蛇の神(ケツカルコワルト)は商業の神、医学の神として尊重され、高校や大学の校章にも使われています。世界保健機構(WHO)のマークにも蛇が使われています。
もう少し辞典を参考にして「巳・蛇」のことにこだわってみます。
「巳・蛇」のつく用語では「蛇口」「蛇の目傘」「蛇腹」「蛇行」「蛇足」、料理で「蛇腹切り」などがおなじみです。故事ことわざでは、「鬼が住むか蛇が住むか」=どんな恐ろしいものが住んでいるかわからないこと。
「蛇は一寸を出してその大小を知り、人は一言をもってその賢愚を知る」
「蛇七曲り曲がりて我が身曲がりたりと思わず」=蛇が自分の体が曲がっているのに気づかないように人間も自分の欠点や短所に気づかず反省しないものであるという厳しい言葉。
「蛇のごとく、鳩のごとく」=人生は賢く、温和であれという処世術。キリストの教えとか。
「藪をつついて蛇を出す」=しなくてもいい余計なことをしてかえって禍を受けるたとえ。
最後に「蛇(じゃ)は一寸にしてその気あり」=蛇は一寸ほどの小さい時から気迫がある。という元気あふれる言葉で締めたいと思います。
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