2015年12月4日金曜日

雅支部通信 第51号・・・残り葉を 見上げて拾う 落ち葉かな(H23.12.1)

漢字の歴史・・・その20
 漢字は紀元前1500年ごろから、文明の発達とともに巨大な漢字文化圏を形成してきました。漢民族が創製した漢字は、周辺諸国にも利用されてきましたが、漢字を母体として生まれた文字も少なくありません。
その主なものについて記してみます。
(1) かな・和字
 日本では平安朝前期(8世紀末、漢字音を利用して平仮名と片仮名をつくりました。平仮名・変体仮名は万葉仮名の草書体を簡略化してつくり、片仮名は万葉仮名の楷書体を略体化して作ったものです。
(2) 契丹文字
 4世紀以来、内蒙古一体にいたモンゴル系の遊牧民族契丹の耶律阿保機(ヤリツアボキ、827~926)は周辺の部族を統一して遼(937~1125)を建国しました。建国後まもなく漢字を参考にして契丹文字をつくりました。契丹文字には楷書・行草・篆などの字体があり漢民族の書式を踏襲したものでしたが、金(1115~1234)に滅ぼされ、契丹文字も使われなくなり、伝承を失って死文字となってしまいました。ただし、契丹文字の資料は哀冊(あいさく=天子・皇后の生前の徳行や功績を記した韻文)や墓誌銘などとして残り、解読への研究も進んでいます。

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