中国の書の歴史・・・その6
専制君主のかぎりをつくして急成長した秦も数々の実績を残しましたが崩れるのも早くわずか15年余りで幕を閉じました。
続く漢代は400年にわたる長期政権で書道史から見ても多種多様な時代です。漢隷という言葉がありますが漢の時代というとまず「隷書」が頭に浮かびます。端正に書かれた碑文の隷書は確かに漢を代表する書体ですが、その他にもたくさんの書風、書跡が発見されています。
まず前漢初期から中期ではその一つ「帛書(はくしょ)」が発見されています。帛書とは文字通り帛(絹)に書かれた文字で代表格は1972年(昭和47年)に湖南省長沙市馬王堆(こなんしょうちょうさしまおうたい)で発見された「老子甲・乙本」「春秋事語」「戦国策」などです。これらは書体もさることながら中国古代史を実証する貴重な資料です。
帛書の特徴はなんと言っても文字数をたくさんに書け、かさばらないことでしょう。書物にするには最適だったと思われます。
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