2015年12月20日日曜日

雅支部通信 第58号・・・程ほどと 一人つぶやき古茶いるる(H24.7.1)

中国の書の歴史・・・その3
 中国の王朝が最も永く続いたのが周代です。西周(前1121~前770)・東周(前770~前256)と合わせると実に850年あまり王朝の伝統を継承しました。
 中国の青銅器時代は、殷の末期から周にかけてが全盛期です。周代の金文も殷末の特徴を受け継いで規模雄大で力強く威厳があります。西周を前・中・後期に分けて考えてみると、その前期の代表格は「大盂鼎(だいうてい)」=鼎は食物を煮るのに使われた」と「毛公鼎(もうこうてい)」に刻(鋳造)されている金文です。
「大盂鼎」は高さ102.1センチ、上部の口径78.4センチ、重さ153.5キログラムという雄品です。この鼎はすぐれた武将であった盂が、ときの康王に恩賞を授かった記念に作器したもので、王から下された辞令の内容がそのまま挿入されていて貴重です。書風は殷代の金分の特徴である、気宇壮大、厳正にして雄偉な筆勢が感じられます。
 「毛公鼎」は高さ53.8センチ、上部の口径47.9センチ、重さ34.7キログラムで「大盂鼎」をひとまわり小型にした鼎ですが銘文は499字で「大盂鼎」の291字をはるかにしのいでいます。
内容は「大盂鼎」同様、毛公が周王から車馬や衣服などを下賜(かし)された記念に作った鼎です。書風は、筆画鋭く、雄偉にして麗しく、変化にも富んでおり円熟味をうかがわせる雄品です。

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