2016年4月17日日曜日

雅塾通信 第98号・・・南天の大きくひしゃげて朝の雪(H28.2.1)

中国の書の歴史・・・その29
 今までに唐代の代表的書人9名とその作品を紹介してきましたが更に続けます。
 ★陸 柬之(りくかんし)=(唐・至徳3年~貞観3年 585~638)
  太宗から高宗にかけての人、高級役人、虞世南の甥っ子。子供のころは書を虞世南に学び長じて二王(王羲之、王献之)を学び行書を得意としました。晩年には二王に逼り書名が大いに上がって、ついに巷では、欧陽詢・褚遂良と並んだと評されました。その書には、
「五言蘭亭詩」=王羲之ら四十数人が山陰の蘭亭に会し享楽しながら作った詩を臨書したものです。
「文賦」=端正・秀麗な王羲之正統派の行書で、書名はありませんが陸柬之の書と見られています。
その他「近得帖」などが残っています。
 ★薛稷(せつしょく)=(649~713)
 名門の出であり秀才、進士に合格し文章家としても名を知られ、初唐の三大家にこの人を加え唐の四大家と呼ばれています。褚遂良の書風をさらに発展させ、たおやかで華やかなうつくしい書です。
「信行禅師碑=しんんぎょうぜんじひ」=706年の建碑、褚遂良を学んだことが伺える書風です。
「昇仙太子碑」=699年の刻、碑陽(碑の表)は則天武后の撰並びに書、碑陰を薛稷が書いています。

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