2016年4月16日土曜日

雅塾通信 第96号・・・山道の 踏まれるままの落ち葉かな(H27.12.1)

”まだまだ”が”もう”に代わって早師走、今年こそ早めに事を片付けよう!・・・毎年そう思っていて終わらないだから今年もダメでしょう。しかたないからぎりぎりまで頑張ってゆったりとした信念を迎えよう。と開き直っています。

 先月末、県展開催中の県立近代美術館で、西安交通大学博物館長の鐘明善(しょうめいぜん)先生が「中国書法の現在と未来について」と題して講演会を開きました。
 先生の名前はかねてから伺っていましたし講演内容も興味があったので聞きに行ってきました。
通訳付きでしたので一時間半以上の講演でしたが中身は一時間弱くらいだったでしょうか、解りやすいお話でした。要約すると・・・中国も文革後「改革開放」政策をとって外国からの文化、思想も急速に入り込み、書の世界もその影響を受けて良い面、悪い面が出た。
 評価すべき面は、中国書法(中国では書道の事を書法という)に新しい考え方をもたらしたこと、例えば紙面構成の概念と、作者の感情をどのように書作品として表現し伝えるかなど。マイナス面は、機械的に国外の傾向に影響され、漢字本来の形を崩したり、漢字の書き方から離れたりして、中国の書法の正常な発展を阻害したこと。この影響で1980年代の全国書法展には「美しくない字」が展示され賞を受けることもあり試練に立たされた時代であった。
 それでも、このような単純に視覚的な衝撃のみを強調した創作方法の影響は短期間で終わり、2000年以降は伝統の軌道に戻り、外国の形式を選択的に取り入れ、「伝統を受け継ぐことを前提にした各自の個性を模索」するようになってきた。
 2012年から書法教育を正式に小・中学校に取り入れ芸術の社会化をめざし、安定した発展の道を歩み始めている。
 そして結びには日中両国の書法家がともに努力し、学びあい、書法芸術を発展させ、さらに世界に誇れるものにしていけるように頑張りましょう、と呼びかけました。

11月22日には本庄第一高校書道部の展覧会「桐華展」を見てきました。顧問の高橋維周先生が藤岡書道協会の会員なので今までも何度か鑑賞しています。会場は本庄市文化会館です。
 埼玉県展に入選した臨書作品をはじめ好きな言葉を自由に書かせた(と思われる)作品、それに篆刻など合わせて76点、先生が2点、そのほか二階の第2会場には台湾との交流展として50点あまりまさに所せましと展示してありました。
 そのほか「書道パフォーマンス」、屋外の特設会場で18名ほどの女生徒が羽織袴姿で音楽に合わせて踊ったり跳ねたり、おなじみ超特大筆をふるっての揮毫は躍動感があって生徒も楽しそうでした。
 できあがった作品はけっこう様になっていました。体力も必要だし、使用したあの筆を洗うのはそぞかし大変だろうなと思った次第です。

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