中国の書の歴史・・・その36
前回に引き続き明代の書家の紹介は董其昌(1555~1636)です。
華亭(江蘇省)の人。字は玄宰。思白・思翁・香光と号しました。17歳で書を志し、22歳で画、30歳前後で禅を学びこの3つの分野が彼の作品の基礎を形成したと言われています。35歳で進士になり、翰林院庶吉という高級役人になっています。
書は初めから顔真卿を学び、ついで虞世南を学んだが、唐代の書は魏・晋に及ばないと考え、王羲之や鐘繇の臨模に専念しました。
彼はのちに自分の書を古法・秀潤・卒意の妙において優れているといい、魏晋まではいかなくても、唐人には負けないと自負しています。
彼の言う良い書とは、主観を盛り上げて卒意のうちに醸成されるもので「天真爛漫」、つまり無作意の自然の境地から生まれるものだとしています。
この自信は弛まない古典の追求と禅を学んで得た思想の影響と考えられています。
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