2017年5月15日月曜日

雅塾通信 第112号・・・暖かや 愛車の傷も治りくる(H29.4.1)

 何事も基本は大切ですが、改めてそれでは書道の基本とはいったいなんでしょうか。最初に習う基本点画、永字八法などはもちろん基本中の基本ですがこれを完全にマスターしてから次と言うものでもありません。
 今、当塾では古典の臨書を中心に勉強をしえいます。一言に古典と言ってもいつの時代までのものを古典と呼ぶのか、この位置づけは大事です。昔のものがなんでも古典かと言うとそうではありません。私見ですが唐代の書までが古典と言われるのにふさわしいような気がします。なぜなら王羲之の普遍的な文字を基本に据えて書かれた書がざっくり言ってしまえば唐代までだったからです。
 唐代以降は個性が表面に出た書が多くなってきました。(古典を土台にした上ではあるが)。歴史と社会背景から必然に生まれたこれら個性的な作品は古典として学ぶには危険が伴います。しかし古典臨書と平行して創作作品を創っていく上では大いに参考になります。
 今、雅塾で学んでいる古典は唐代までのそれが中心です。楷書では九成宮醴泉銘、行書では蘭亭序、集字聖教序、草書では書譜、隷書では乙瑛碑、曹全碑などの漢碑類です。基本とは日々これらの古典を学んでいることを言います。
 ここで大事なのは基本ですから徹底的に真似をすることです。これを自分流で書いてしまうと基本から外れて我流の字になってしまいます。
 したがって日々の練習の中に基本があるのです。基本を学びながら創作作品を創るときには好みに応じて古人の書かれた好きな作品の中からその筆法・構成を学び取るようにするのが良いと思います。

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