2019年9月16日月曜日

雅書道塾通信 第137号・・・薄闇に半夏生あり雨戸引く(R1.7.1)

今年も半分過ぎました。7月と言うのにどんよりとした毎日です。農作物が心配です。
 今月は知事選、参議院選があります。
 ところで、「ことば」は言霊とも言われ、優れた不思議な力を持っています。落ち込んだり迷ったりしたとき、ふとした言葉に巡り合って励まされ勇気づけられることもあります。読書をするのも生き方の指標になることばを求めている場合が少なくありません。
 ところがこの「ことば」使いようによっては人々をたぶらかすこともできます。その最たるものが甚大な被害がでている「オレオレ詐欺」のたぐいでしょう。おりしも選挙戦真っただ中、演説を聞いていると実に言葉が巧みです。功罪のある「ことば」だけに騙されないよう社会の現状を認識し、その人の行いを見て判断することが肝要です。

 先日会員から「日本にはいつ頃漢字が入ってきたのでしょうか」と聞かれました。残念ながら日本に文字が伝来した時期ははっきりとはしていません。しかし「多分その頃でしょう」とは書かれています。大雑把ですが、紀元前後をはさんだ弥生時代の人々もすでに大陸に文字なるものがあることは知っていたようです。中国に「漢書」という歴史書がありますがその中に当時の日本と大陸(今の朝鮮半島地域で後漢の郡であった楽浪郡)との交流があったと記されています。紀元後57年になると倭(日本)の奴の国(北九州の小国)から後漢の光武帝(後漢初代皇帝)に使者が送られたとあります。その証明になったのが1784年に福岡県で発見された「漢委奴国王」の金印です。その後も日本と楽浪郡、並びに後漢との交流は続きて徐々に文字世界にも広がっていったものと思います。したがって日本に文字が入ってきたのは紀元前後にぼつぼつと浸透してきたと理解してよいのでしょう。当時の日本では文字を必要とする場合は漢人や韓人が右筆として務めていたようです。

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