2017年1月10日火曜日

雅塾通信 第109号・・・一点の雲なき空へ大根干す(H29.1.1)

 今年は西暦では2017年、元号では平成29年、干支でいえば丁酉と表記します。書の世界では落款を書くときの日付にはこの干支がよく使われます。
 これは中国の習慣に根差したものです。十干と十二支を合わせて干支と言いますが、十干とは、殷の時代から行われていた日を数える方法で、甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸の10を指します。十二支はご存知の子、牛、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の12でこれもまた同じ時代に一年12か月の名称として使われたのが起源で、十干と同様に1から12までの記号として用いられるようになりました。また、方位や時刻を表す呼称としても用いられたり年も表します。
 十干と十二支を一つずつ組み合わせていくと60通りになりこれを60干支とも呼びます。
 還暦というのは、数え年61歳の事で、十干と十二支の組み合わせにより61年目に元の干支に戻ることでこれを祝うことを還暦(華甲とも言う)の祝いと言います。
 酉は動物では鶏が充てられていますが酉の字源は酒樽の形から来ていて酒に関する文字に扁や旁として使われており鶏とは直接関係がありません。
 十二支が動物に充てられるようになったのは漢の時代です。これを十二支獣といいますが身近な動物が充てられていて親しみを感じるようになりました。確かに漢字で書かれた書作品には、落款に年号を記す場合、漢字で記入した方が収まりが良いように思います。
 月の別称でよく使われるもので、孟春(一月)、仲春(二月)、季春(三月)という呼び方がありますが、落款に結構よく使われていますので覚えておくと便利です。

    春   夏   秋   冬
孟  一月  四月   七月  十月
仲  二月  五月   八月  十一月
季  三月  六月   九月  十二月

四季の頭に孟、仲、季を付ければよいわけです。ただしこれは全て陰暦での呼び方です。